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第7章 実際のシステム構築時のポイント
実際に仮想化システムを構築するにあたっては、いくつかのポイントをあらかじめ考慮したプランニングを行うことで、導入効果を最大限に高めることができます。ここでは考慮すべきポイントを6つ、基本的なものとして紹介します。
(1) 仮想化すべきシステムを把握する
すべてのシステムを一度に仮想化してしまうケースというのはなかなか考えにくいため、まずはシステムのどの部分から仮想化してゆくかを見極める必要があります。
たとえば、古い機種のサーバーが稼働している部分などは、仮想化システムにリプレイスすることで明らかな導入効果を出すことができるでしょう(レガシーマイグレーション)。
あるいは、テスト環境の仮想化もおすすめです。テスト環境は何かと変更が多いため、サーバーのスピーディな立ち上げや柔軟な環境変更を容易に実施できる仮想化環境は、大きな導入メリットを生みます。
(2) メモリやCPU処理能力に余裕を持たせる
様々の便利な機能を持つ仮想化環境ですが、メモリ空間やCPUの処理能力、ネットワーク帯域などにある以上のゆとりがないと、それらの機能をうまく利用することができません。
仮想マシンの実行やライブマイグレーションなど、仮想化環境のメリットを享受するためには、余裕のあるシステム構成を心掛けましょう。
(3) 物理サーバー障害を考慮し、リソースを分割する
うまくシステムリソースを分割することで、物理サーバーの障害発生時にもサービスを継続できる高信頼なシステムを構築することができるのは言うまでもありません。 特に停止してはいけない部分に関しては冗長化を行う、テスト環境であれば必ずバックアップを取る、といったことによって、仮想化システムの稼働率を100%へ近づけることができます。
(4) FCoE、10GbEの活用で物理ケーブルの障害発生率を減少させる
帯域を稼ぐために1GbEを4ポート使用し、またストレージへFCを2ポート接続しているサーバーの場合、それが10台あるシステムだと、ケーブル数は合計60本となります。これでは、取り回しが困難になることでのトラブル発生や、断線の可能性が無視できない問題となってきます。
FCoEや10GbEを導入すれば、広帯域な10G化によるLANケーブル数の節約、FC部分のストレージケーブル数の節約により、こうした問題を大きく回避することができます。もちろん、10GbEケーブルを数本使用することで、トラフィックを飛躍的に広帯域化させることも可能です。
(5) OSによっては大きなコスト削減が可能なことを把握する
たとえば、Windowsの仮想マシンが多数動く環境なら、仮想化ソフトとしてHyper-Vを選択し、コストを抑えつつ無制限に仮想マシンを作成できるライセンス(Windows Server 2008 Datacenterなど)を購入することで、導入コストと運用コストの双方を大きく削減できます。
他にも、Red Hat Enterprise Linux上なら、組み込まれているオープンソースのXenを利用できるなど、OSの選択によって仮想化のコストは大きく変わってきます。仮想化するOSがすべて同じものであれば、こうしたコストメリットは出やすくなります。
(6) 仮想化環境に求める機能を把握する
単に仮想化するというだけなら、仮想化ソフトにもたくさんの選択肢が出てきますが、どの部分を仮想化するのか、どんな機能が求められるのか、それをしっかり把握できれば、導入すべき仮想化ソフトウェアは自ずから決まってきます。
求める機能が色々とあり多いのであればVMwareが選択肢に挙がるでしょうし、それほどの機能を求めずベーシックな仮想化環境を構築したいのであればHyper-Vが適しているかもしれません。求められる機能を見極めることで、導入コスト・管理コストを大きく節約できます。
ここに挙げたポイントはいずれも基本的かつ、仮想化システムの根幹を担う部分でもあります。まずはじっくりとプランニングを行うことで、仮想化システムの導入と運用を、成功へと導くことが可能です。
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