IoTで牛の傷病兆候を検知

牛の反芻を監視する傷病管理ソリューションで
「OpenBlocks IoT VX2/W」を活用

農 業見える化行動分析


光和ネットサービス株式会社 様

組織概要:埼玉県に本社を置き、ITシステム開発・ネットワーク構築・導入など を幅広く手がけるITコンサルティング会社。

光和ネットサービス株式会社
  • 所在地(本社):〒335-0013 埼玉県戸田市喜沢1-28-15
  • 設 立:2012年4月5日
  • 従業員数:21名(2017年10月1日現在)
  • URL:https://kowa-ns.co.jp/

目的・課題

IoTシステムを
寒暖の差が激しい
農場でも実現したい

導入製品

OpenBlocks IoT VX2/W
耐環境性能に優れた
Windows OS搭載の国産IoTゲートウェイ

効 果

-20℃~+60℃の環境でも
安定稼働
高精度のデータ計測に寄与

概 要

光和ネットサービス株式会社(以下、光和ネットサービス)の提供するソリューションのひとつに、牛の行動を監視し、傷病を管理するソリューション「ルミログ」がある。このソリューションを構成する機器の1つとして、Windows搭載IoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX2/W」が採用されており、同社にソリューションの概要や、製品採用の背景を聞いた。

IoT技術で牛の反芻をモニタリング

光和ネットサービスではIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術の一つであるBLE(Bluetooth Low-Energy)ビーコンを活用し、児童の見守りをはじめとするソリューションを提供していたが、この仕組みを応用してできたのが牛の傷病管理ソリューションだと光和ネットサービス 企画部 部長 宮原 利之氏(以下、宮原氏)は言う。
「もともとは牛の発情期を検知し、適切なタイミングで人工授精が行えるよう支援するソリューションを考えていましたが、農家の方からするとそのような仕組みは既にあるので牛の行動管理をつくってみてはどうか?と提案をうけたのがこのソリューションを作ったきっかけです」(宮原氏)
また、牛の健康管理をするうえで大事な要素は反芻を監視するのが適切だと宮原氏は話す。一般的に牛は1日に6~10時間程度の反芻を行っているが、発情期や体調変化の前兆として反芻時間に極端な変化が現れるそうだ。
特に出産前後二ヶ月は親牛の事故が多く、体調の変化によって出産ができなかったり、病気にかかってまうことが多いため、体調変化の前兆をいちはやく知る必要があった。行動を常にモニタリングしておけば、牛の体調変化にもいちはやく気付くことができ、病気にかかるまえに適切な処置を行えたり、発情期であればタイミングをのがすことなく人工授精を行うことができ、農家の人たちにとって役に立つと考え、当ソリューションの開発をはじめたという。

光和ネットサービス 企画部 部長 宮原 利之 氏

光和ネットサービス 企画部 部長
宮原 利之 氏

IoT振動ビーコンとWindows搭載IoTゲートウェイで実現

牛の傷病管理ソリューションは、反芻をモニタリングする手段として東洋エレクトロニクス社が製造販売している振動発電ビーコンを活用している。牛の顎に振動発電ビーコンを取り付けることで、採食や反芻行動の際の顎の上下運動によってビーコン自身で発電を行い、電波を発する仕組みとなっている。また、ビーコン電波の受信機にはWindows 10 IoT Enterpriseを搭載したIoTゲートウェイ製品「OpenBlocks IoT VX2/W」が使用された。
これらの製品を採用した理由を宮原氏に聞くと「振動ビーコンに関しては、メンテナンスフリーというのが一番大きかったです。人が利用するのとは違い、飼育牛につけている全てのセンサーを定期的に電池交換するのは農家の方にとっては非常に大きな負担です。その点で振動発電するこのビーコンであれば一度取り付けてしまえば基本的にはメンテンナンスフリーとなるため、採用しました。また、ビーコンの受信機は、長期稼働に耐えうるハードであること、特にACアダプタについては海外製の場合、最悪発火などの恐れがあるため、信頼性の高い国産製品を採用したかったのです。」 と話す。
東洋エレクトロニクス社が製造販売している振動発電ビーコンはその製品名の通り振動で発電するため、電池レスで稼働を続けることができ、日常生活防水にも対応しているため牛の反芻を検知するには最適なビーコンだ。
そしてビーコンの受信機に使われているOpenBlocks IoT VX2/WはBLE通信可能なWindows 10 IoT Enterpriseを搭載した汎用IoTゲートウェイで、-20℃~+60℃の環境下でも動作する堅牢性を持つ。導入の対象となった農場では冬場は-10℃以下、夏場は50℃という過酷な環境となるため、耐環境性能が高く他社製の同クラスのモデルと比較した時のコストパフォーマンスが抜群だったことがOpenBlocks IoT VX2/Wを選定した理由のひとつと宮原氏は言う。
OpenBlocks IoT VX2/WはWindows OS搭載によってソフトウェア資産が活用しやすいことや、ハードウェアの信頼性・堅牢性、コストパフォーマンスなどのトータルバランスが整っていることが評価され、当ソリューションで活用される形となった。

牛の傷病管理ソリューションを導入している牛舎の乳牛

牛の傷病管理ソリューションを導入している牛舎の乳牛。
頭絡の下に東洋エレクトロニクス社の振動ビーコンがついている。

牛の傷病管理ソリューション「ルミログ」のシステム概要図

牛の傷病管理ソリューション「ルミログ」のシステム概要図

より高い精度のソリューションを目指し、全国の農業発展を目指す

まだ実験段階ではあるが、実際の農場に導入して運用してみたところ、ルミログで収集した活動データは実際の活動内容と比較して9割以上の精度が出ていたという。「導入した農家の方々からは、この精度が出るのであれば、いろいろな使いみちがありそうだと言われました。例えば、牛に餌をやってもその食べている様子を見るヒマも無いほど様々な仕事に追われているため、食いの悪い牛がいてもなかなか早期に気づきにくいため、有用であると評価していただけました。」(宮原氏)
昨今、農場では高齢化が進み後継者も少なくなってきている。酪農は教えるというよりも実際に作業を色々と経験することで覚えることのほうが多いが、後継者がいなければそれもできない。長年牛を飼育してきている人たちからすれば、ちょっと見るだけで牛の変化に気づけるが、経験値の浅いスタッフでは同じようには気づけない。牛の行動をデータ化し誰が見てもわかる形になれば、早期に牛の体調の変化に気づくことができ、獣医などに説明する際も、いつから体調の変化が起きたのかなどの具体的な説明により、適切な治療を行い早期の回復につながれば生産性の向上にもつながる。このようにIoTの技術で効率化や生産性の向上を図り、農家が抱えている課題を解決し、業界の発展に繋げたいと今後の展望を話してくれた。

農場の配電ボックスに設置されたOpenBlocks IoT VX2/W

農場の配電ボックスに設置されたOpenBlocks IoT VX2/W。
低温・高温となる場所でも安定稼働できる。

関連URL

光和ネットサービス株式会社
https://kowa-ns.co.jp/
製品情報 OpenBlocks IoT VX2/W
https://www.plathome.co.jp/product/openblocks-iot-vx2w/