リアルタイム地震研究の基盤を支える「OpenBlocks HX1」-東京大学 地震研究所
東京大学 地震研究所 様
世界の地震火山研究をリードする東京大学 地震研究所。
同研究所の日本列島モニタリング研究センター(旧:地震火山情報センター)では、膨大な地震観測データをリアルタイムで収集・解析し、地震火山現象の科学的解明と災害の軽減という重要なミッションを担っています。
概要
今回導入されたのは、地震観測データの流通システムとして抜擢された「OpenBlocks HX1」。
その活用の背景や、導入の決め手、実際の活用方法について、東京大学 地震研究所 日本列島モニタリング研究センター 准教授の鶴岡弘様に伺いました。
地震研究の現場で活用されるOpenBlocks HX1
地震研究ではリアルタイムでの膨大なデータ処理と「止めずに流し続ける」ことが生命線。東京大学地震研究所の日本列島モニタリング研究センター(以下、センター)では、従来の1Uサーバーでは大きくて重く、設置スペースに収まらなかったり、意図しない電源トラブルで止まってしまったりと課題が多かったそうです。
さらに、地震研究という性質上、機器の安定性と継続性は極めて重要。チップセットが頻繁に変更されると機器の寿命が短くなり、予期しない電源断によるシステム停止は、リアルタイムでの地震監視に致命的な影響を与えかねません。
そこで検討の結果、採用されたのが「OpenBlocks HX1」。手のひらサイズの小型ボディでありながら、研究現場が求める安定性と性能の要件を満たしていたのです。
選定のポイントは研究現場の要件を満たす仕様
鶴岡准教授がOpenBlocks HX1を選定した4つの理由
- 狭いラックにも入り、持ち運びも容易なコンパクトさ
- 長期間安定して動作する信頼性
- 地震研究に必要十分な処理性能
- 安定的な供給体制
「例えば電源が抜けにくい設計や、誤操作を防ぐ構造など、研究現場を理解した作り込みに、こうした設計こそが運用上とても重要だと感じました。」
電源が簡単に抜けない仕組みや、誤って電源ボタンが押されることを防ぐ構造は、24時間365日の連続運用が求められる地震監視システムにとって、重要なポイントとなっています。
電源スイッチにカバーがあるので予期せぬ電源オフを防ぐ
さらに、ファンレス設計による静音性も利点のひとつ。OpenBlocks HX1の静音性により、研究施設内の様々な場所に設置できるようになりました。
多様な用途での活用の広がり
センターでのOpenBlocks HX1の活用は、当初想定していたデータ受信業務を大きく超えて展開しています。例えば地震情報を表示する端末や、研究者が手元で扱う解析環境にもOpenBlocks HX1が設置されています。
「ノートPCの手軽さと、サーバーの安定性を両立している点が便利と感じました。」
コンパクトなOpenBlocks HX1により機器の移動や増設もラクになり、研究活動の柔軟性の向上に貢献しました。
運用実績と今後の活用
「身近に置けるサーバーだからこそ、研究者が直接活用できる環境が整いつつあります。」
地震データ流通システムにおける情報量は年々増加していますが、センターではOpenBlocks HX1を用いたデータ受信および解析システムの運用を継続しています。手元で扱えるサーバーとしての利便性や、設置自由度の高さを活かし、今後も研究環境の一部として活用範囲を広げていく予定です。
関連URL
東京大学 地震研究所
https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/
<製品情報>
OpenBlocks HX1
https://www.plathome.co.jp/product/openblocks/hx1-debian/