街中の子供や高齢者の見守りを実現するサービスを提供 — 阪神電気鉄道株式会社 — アイテック阪急阪神株式会社

伊丹市の子ども・高齢者見守りサービスのビーコン受信器として「OpenBlocks IoT EX1」を市内1,000箇所に設置

阪神電気鉄道株式会社

大阪〜神戸間を結ぶ鉄道を運営する大手私鉄会社。阪急阪神ホールディングスグループの中核会社であり、鉄道事業のほか不動産やスポーツ・レジャー、住民の暮らしや安全に役立つ事業などを展開し、住民の豊かな生活を支えている。

アイテック阪急阪神株式会社

阪急阪神ホールディングスグループのシステムインテグレーターで、グループ会社のシステム開発だけでなく、インターネットプロバイダ事業や、ECサイトの運営、グループ外企業の情報システム開発・運用・保守など、ITに係る幅広い事業を展開する。

概要

カメラやビーコンを利用し、子どもや高齢者の見守りを行う事業を伊丹市と阪急阪神ホールディングス株式会社(以下、阪急阪神HD)が協働で実施しており、当事業のサービスのなかのビーコン受信器用途で「OpenBlocks IoT EX1」が採用されている。当サービスの運営を行う阪神電気鉄道株式会社(以下、阪神電鉄)と、システム開発などを担当するアイテック阪急阪神株式会社(以下、アイテック阪急阪神)に当製品採用の背景などの話を聞いた。

詳細

伊丹市内の子ども・高齢者を見守り

昨今、児童や生徒が被害者となる事件や、認知症高齢者の徘徊問題などが全国各地で増加しており各自治体は早急な対応に迫られている。伊丹市ではこれらの問題に対応するため、阪急阪神HDと協働で、子どもや高齢者が犯罪及び事故に遭遇するのを未然に防ぐための仕組みを作り、安全・安心なまちづくりを目的とした新たな事業「伊丹市安全・安心見守りネットワーク事業」を開始した。
伊丹市が当事業を阪急阪神HDと協働で開始したのは理由がある。阪急阪神HDグループの阪神電鉄はすでに子ども見守りサービス「阪神あんしんサービス 登下校ミマモルメ」を全国の小・中・高校へ導入・運用をしており、これらの技術・ノウハウを活用し、子ども・高齢者の見守りを実現出来ると考えたからだ。こうして伊丹市内の子ども・高齢者の見守りサービス「まちなかミマモルメ」が生まれた。

まちなかミマモルメ概要図 – クリックで拡大
阪神電気鉄道株式会社
新規事業推進室 課長 西岡克馬氏

BLEビーコンで地域ぐるみの見守り体制を構築

「まちなかミマモルメ」はBLE(Bluetooth Low-Energy)ビーコンを活用した見守りサービスだ。子どもや高齢者などの見守り対象者にビーコンを身に付けてもらい、ビーコンが発する電波を、伊丹市内の様々な場所にある電柱に設置されたビーコンの受信器がキャッチし、見守り対象者がどの時間にどの場所付近にいたかを保護者が把握する事が出来る。ビーコンを使った理由を「まちなかミマモルメはボランティアの方々も見守り活動に参加してもらえる特長があります。これを実現するためにBLEビーコンの技術は必要不可欠でした。」と阪神電鉄 新規事業室 課長 西岡克馬氏(以下、西岡氏)は話す。
見守り活動に参加するボランティアのスマートフォンに「まちなかミマモルメ」のボランティア参加者用アプリケーションを入れれば、例えば保護者が捜索の依頼を出した際には見守り対象者のもつビーコンの電波をボランティア参加者もキャッチする事ができ、見守り対象者の容姿を知らなくても捜索に協力する事が出来る。ボランティア参加者のスマートフォンと市内の電柱に設置されたビーコンの受信器、これらが子どもや高齢者を見守る“目”となり地域ぐるみの見守り体制を構築している。そして電柱に設置されているビーコン受信器に採用されているのがぷらっとホームの「OpenBlocks IoT EX1」だ。

導入実績の豊富さ・国内メーカーが採用の決め手

電柱に設置されるビーコン受信器だが、伊丹市内全域を見守る必要があるため設置される数は膨大になる。阪神電鉄によると市内およそ1,000箇所にビーコン受信器を設置するそうだ。設置数量が多ければ多いほど機器に求められる信頼性は大きい。西岡氏は選定時のポイントを次のように話してくれた。

「ビーコン受信器に使うハードウェアの候補はいくつかありましたが、一番ポイントとなったのは信頼性の高さですね。ぷらっとホームの製品はすでに多数の企業への導入実績があったという点でかなり信頼出来ました。また、国内メーカーという点も大きかったですね。価格だけで見れば海外製品もいくつか候補にありましたがサポートの面で不安がありました。それらと考えると「OpenBlocks IoT EX1」はコスト的にも充分許容範囲内でしたので、採用を決めました。」

アイテック阪急阪神株式会社
エンジニアリング事業本部 第1営業部 営業1課 主幹
土岐淳子氏

「OpenBlocks IoT EX1」を含むOpenBlocksシリーズ製品は2000年の販売開始時から一貫して国内生産かつファンレス設計となっており、このコンセプトが顧客に評価され、さまざまな業種・用途での採用実績がある。特に通信キャリアに数千台規模の導入実績があり、この事が「まちなかミマモルメ」のビーコン受信器として採用した大きな理由と西岡氏は話す。また「まちなかミマモルメ」のシステム構築などに携わったアイテック阪急阪神 エンジニアリング事業本部第1営業部 営業1課 主幹 土岐淳子氏(以下、土岐氏)は「製品の良さはもちろんですけど、それ以上にサポートも非常に助かりました。仕様などがばっちり最初から決まっていれば一番良いのですが、やはり途中で急遽変更しベンダーさんに対応して頂くケースが多いです。そういった事にも臨機応変に対応して頂けました。」と話す。
「やはり我々もシステムを売ってはい終わり、という商売をやっているわけではないのでサポート体制がしっかりしているかどうかはとても重要です。」(西岡氏)

高い機能性・拡張性を持つIoTゲートウェイ

「OpenBlocks IoT EX1」は前述の信頼性に加え、機能性・拡張性も高いIoTゲートウェイだ。「まちなかミマモルメ」ではビーコン電波を受信する必要がありBluetoothの通信モジュールを利用している。「サービスの性質上、ビーコンの電波の検知漏れは許されません。」と西岡氏は話す。「まちなかミマモルメ」に使用された「OpenBlocks IoT EX1」はBluetoothの電波をより確実にキャッチできるよう、Bluetoothの受信アンテナを追加している。こういった顧客のニーズに合わせたカスタマイズも容易に行えるのが「OpenBlocks IoT EX1」の特長のひとつだ。さらに、センサーとの通信モジュールや3G/LTE通信モジュールの追加もする事が可能でクラウドサーバー側との通信も有線・無線問わず対応する事が出来る。

消費者にとって分かりやすいサービスの提供を目指す

「まちなかミマモルメ」は伊丹市内広域をカバーする見守りサービスだが阪神電鉄はさらに先を見据えている。
「街中だけでなく、家の中にも入り込んだサービスを展開したいですね。今でもやろうと思えばいくつか案はあるのですが、消費者の方々にとって分かりやすいものに仕立てるのがとても難しくてそれが課題となっています。例えばですが、家庭用コンセントになんらかの装置を指すだけで、高齢者の見守りを実現できる、というような単純明快かつ人々の役に立つサービスを展開して行きたいですね。」(西岡氏)と、さらに一歩踏み込こんだサービスの提供に積極的だ。

伊丹市の電柱
(OpenBlocks IoT EX1が内部に組込まれている)

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