玉露茶栽培で新たな発見、データの持つ説得力を実感 – 株式会社システムフォレスト/福岡県農林業総合試験場八女分場

株式会社システムフォレスト様

「クラウドソリューション」と「IoT/AIソリューション」を軸に、 九州地方や仙台で地域密着型のITサポートを行い、お客様企業の働き方や業務体制の改善、生産性の向上などなどさまざまなサポートを行っています。

所在地:熊本県人吉市西間下町132-1
URL: https://www.systemforest.com/

福岡県農林業総合試験場八女分場様

高級茶「福岡の八女茶」の振興のため、優良品種の育成や選定、環境に配慮した病害虫防除技術や肥培管理技術、玉露などの覆い下茶の高品質・安定生産技術に関する研究開発を行っています。また、中山間地域の農業振興に向けた研究開発もあわせて行なっています。

所在地:福岡県八女市黒木町本分3266-1

<八女伝統本玉露について>
福岡県八女市及びその周辺市町の中山間地域において生産されており、味と品質を最高に保つため今でも手間を惜しまずに伝統的な生産方法を守り続け製造されている玉露です。
全国茶品評会では、5年連続で農林水産大臣賞を、また18年連続で産地賞を獲得しています。

概要

「経験や勘に頼るこれまでのやり方では、古くから伝わってきた玉露づくりの技術が途絶えてしまう」。将来の茶栽培に危機感を募らせていた八女茶生産者と、茶葉の栽培・加工などの試験研究を行う福岡県農林業総合試験場八女分場は2018年10月、カメラや温度センサーなどのIT 機器を活用した茶葉の栽培技術の確立を目的に「八女伝統本玉露IoT システム開発・実証事業」をスタートしました。
IoT 導入により茶栽培の今後がどう変わっていくのか、高齢化、後継者不足への対応などのお話を伺いました。

システムの仕組み

茶園に設置したIoT センサーからインターネット経由で気温・相対湿度や照度、新芽の生育長と葉色・地温・土壌水分のデータを連続的に取得。収集した気象環境・ 生体等の情報データの現在値や集計結果は可視化され、パソコンやスマートフォンに表示。
栽培管理に役立つ情報をモバイル端末等に提示できる栽培支援システムの開発、および 6つの農家の栽培データを開示することにより、栽培方法などの情報交換が可能となりました。

気温・相対湿度や新芽の生育状況など
データを連続的に取得
栽培データを開示することにより、
栽培方法などの情報交換が可能

IoTがなくても品質向上はできたと思う、ただ実現には100年かかる

IoT導入前の課題は

福岡県農林業総合試験場八女分場:
今までのような経験則を主体とした技術の伝承では、技術を習得するまでにとても時間がかかります。生産者の高齢化や深刻な後継者不足の問題を抱える地元の実情を考えると、このままでは優れた伝統技術も十分に伝えることができなくなると不安を感じていました。
それだけにデータを基にしたマニュアル化された栽培技術の確立が急務でした。

茶栽培でなぜIoTを活用しようと

福岡県農林業総合試験場八女分場:
経験の浅い若手の生産者にも分かりやすく、短期間で効率的に技術を伝える方法として、IoTを活用した栽培法は、八女の茶栽培の現状を打開するにはぴったりの方法だと思います。
もちろんIoTの仕組みを使わなくても、栽培技術の改善、品質向上は実現できたかもしれません。ただ実現までには100年では足りないかもしれませんね。もちろんそうしている間にどんどん伝統技術はなくなっているでしょうけど。

OpenBlocksを採用いただいた理由

数々の導入実績と信頼性

株式会社システムフォレスト:
ぷらっとホームは、1996年に国内で初めて自社Linuxサーバとして出荷開始され、それ以降、多くの導入実績と高品質信頼性のある製品開発を進めてこられました。日本の通信インフラを支えてこられた「キャリアグレード」のLinuxサーバ思想というのは、非常に安心できるポイントだと思います。
当社では常に安定した稼働が求められるIoTゲートウェイの条件となる”信頼性”という点で採用させていただきました。

拡張性と接続性

株式会社システムフォレスト:
IoTの世界では様々センサとIoTゲートウェイをつなぐ必要性がでてきます。OpenBlocksは様々なインターフェイスを有している他、環境に応じてインターフェイスを拡張 (LoRaWAN・EnOceanなど) することが可能です。
将来的な拡張性にも柔軟に対応でき、特にBLEセンサに関して、対応センサの豊富さと接続性の良さは、他社と比べ一歩先を進んでいると感じています。

セットアップならびに保守性

株式会社システムフォレスト:
OpenBlocksを利用する前は、”RaspberryPi”を利用しておりました。初期構築時のセットアップやその後の保守対応に関して、ビジネス拡大と同時に社内リソースの確保などが課題となりました。そこで、OpenBlocksのIoTエッジコンピューティング機能「Plat’Home Data Handling Module System」 (PDHMS) に注目しました。
ぷらっとホーム様のパートナー各社が提供するデバイスや、産業機器 (PLCなど) との接続方法として多く使われるModbus (RTU/Ethernet) を標準サポートしているほか、各種機器との接続性が優れており、結果的に大幅な開発工数の削減に繋がりました。
また、コマンドライン操作不要のWebUIがあるので、エンジニアの負荷軽減につながっています。

玉露茶栽培で新たな発見、秘伝だった名人の技の一端がデータとして見えてきた

OpenBlocksを使用した感想はいかがでした?

株式会社システムフォレスト:
農業関係でのIoTでは野外にデバイスを設置することがほとんどです。しかし、当社実績ですが、OpenBlocksは大きなトラブルもなく安定稼働しております。
長期間安定稼働をする要因として、優れた耐熱・耐塵・静音設計といった故障要因を徹底排除した設計が功を奏していると考えています。また、手のひらサイズでコンパクトな筐体のため、設置場所の確保も苦労しませんし、トラブル発生時のサポート対応も迅速かつ丁寧に対応いただけるので、迅速な復旧が可能となりサービス提供をする私達システムフォレストもそうですが、お客様にとってのメリットも大きいと考えています。

構築されたシステムでどのような効果を得られました?

福岡県農林業総合試験場八女分場:
玉露栽培で大切な、日光を遮る被覆作業で新たな発見がありました。従来伝えられていた被覆時間より、名人と言われる人たちの被覆時間が長かったことが分かったんです。品質向上に向けて、常に改善をされているということを改めて実感しました。
また隣合う茶園であっても夜の気温や、土壌の温度に差が生じている場合があり、こうした環境の違いが茶葉の品質に少なからず影響を与えているのではとの新たな気付きも得ています。
これまでなんとなくの感覚で感じていたことがはっきりとデータで示されることの意味はとても大きいですね。データの持つ説得力の強さを実感しています。
IoTの実証事業の成果を、八女茶全体の品質の底上げに役立てていきたいと考えています。品質の向上は茶葉の高価格化にもつながります。茶生産が若い人にとっても魅力的な仕事として認知してもらえるのではと期待しています。

今後の目標は

福岡県農林業総合試験場八女分場:
地元のJA との連携も図りながら栽培方法の確立を進めていきたいですね。来年にはこの実証実験も終了しますので、測定したデータを基に栽培マニュアルづくりに取り掛かります。将来的には、茶生産者がスマホで茶葉の成育状況をオンデマンドで確認できるようなシステムに育てていきたいですね。

茶葉の成育状況、葉色を測定するセンサーカメラ
実際の茶摘みの様子

使用製品

分類ゲートウェイセンサー等との接続方式
栽培環境管理OpenBlocks IoT BX1BLE Wifi