和菓子の歩留まりをIoTで改善 — プロンプト・K 株式会社 — 有限会社九面屋

プロンプト・K株式会社 様

「クラウドソリューション」と「IoT/AIソリューション」を軸に、 九州地方で地域密着型のITサポートを行い、お客様企業の働き方や業務体制の改善、生産性の向上などなどさまざまなサポートを行っています。

鹿児島本社:鹿児島県鹿児島市山下町9-1 チャイムズビル401
URL: https://www.promptk.jp/

有限会社 九面屋 様

1930年創業の薩摩銘菓「かるかん」や赤松せんべいで知られる老舗和菓子製造企業。”九州の自然を味覚で創る”を企業使命として、鹿児島の自然の恵みを掘り起こし、伝統の技法に新しい技術を重ねながら、地域に根ざした安全で美味しい食物、とりわけ、”さつまいも”に着目し、こだわりの商品創りを行っています。

所在地:鹿児島県霧島市隼人町真孝2270-34
URL: https://kumenya.co.jp/

<代表製品> 薩摩銘菓 かるかん
鹿児島の伝統銘菓であり、殿様菓子とも言われ、国産の米粉・山芋を主体にした生地に国産小豆のこしあんを入れて蒸し上げたシンプルでいて味わい深いお饅頭です。

概要

九面屋では、かるかん饅頭を製造する蒸し工程にて、「生地の割れ」や「餡の沈み込み」等の不良が発生しており、以下の2つの要因とは推測していたものの、はっきりとした原因が特定できていませんでした。

・蒸し工程の温度変化による不良
・生地の不具合(水分量や柔らかさなど)

その為、蒸し釜にはアナログの温度計を工程の入口・中央・出口付近の3か所に設置し、始業終業時に各1回測定していましたが、連続性のデータでないので変化が分からず、生地に影響する要因も多岐に渡るため様々な点を計測し、特定できる方法を探していました。

有限会社九面屋 製造部長 加世田 貢 氏
プロンプト・K株式会社 代表取締役 CHO 岩倉 路和 氏

システムの仕組み

蒸し工程での温湿度と作業状況を記録する各システムを構築

  1. 蒸し釜内の温度分布の計測
  2. 金型とかるかん生地の表面温度の計測
  3. 蒸し工程のかるかん中心温度の計測
  4. 蒸し釜を設置している工場内の温湿度の計測
  5. 作業状況及び、かるかんの状態の記録
工場内ノートPCで確認

1. 蒸し釜内の温度分布の計測

蒸し釜内に温度センサーを10個取付け、蒸し釜内部の温度分布を1分間隔で24時間計測。計測した温度を簡易ヒートマップで温度ムラの有無が一目で把握できるようにしました。

システム構成図
データロガー・ネットワークベースステーション

2. 金型とかるかん生地の表面温度の計測

金型の表面温度を、生地を入れる前と入れた後で非接触型温度センサーで計測できるようにしました。

生地表面温度計測機器
金型温度計測機器

3. 蒸し工程のかるかん中心温度の計測

かるかんの中心温度の計測は、蒸し釜に金型を入れる前に、かるかん内にボタン型の温度センサーを入れて計測することにしました。センサー本体の防水防滴性能では耐久性がない為、専用のステンレスケースを用意し、手動でセンサーを取り出す方法でデータ取得しています。

システム構成図
センサー本体をステンレスケースに格納して計測
データ読取用USB接続ケーブル

4. 蒸し釜を設置している工場内の温湿度の計測

蒸し釜が設置されている工場内の温度と湿度を計測するために、温湿度センサーを設置しました。

システム構成図
温度表示例
設置状況

5. 作業状況及び、かるかんの状態の記録

蒸し釜投入前の生地の状態と、蒸しあがったかるかんの状態を画像で記録するために、蒸し釜の投入口付近と出口付近にネットワークカメラを設置しました。

蒸し釜投入口カメラ
蒸し釜出口カメラ

導入による効果

始業、終業時しか温度データしかなく、かるかん内部の温度データも取れていなかったので、今まで経験や勘でやってきたことが数字的根拠で示せるようになり、HACCP的にも、現在行っているプロセスや管理が適切であると、明確に提示できるデータを揃えることができるようになったのが一番大きいです。例えば、始業・終業時の間の温度変化に関して指摘されると対応できない部分があったのですが、それも記録データを見せることで対応できます。また、製品の不具合発生時にも迅速に要因分析ができるようになり、かるかん割れが発生する際は、蒸し釜の内部温度が一時的に低下することもわかってきました。計測データ保管もでき、季節ごとの分析などもできるようにもなっています。

OpenBlocksの採用理由

可視化ツールもあるIoT専用サーバーがあったので、継続的な記録データを保存できるところが決め手です。また、外気の照り返しなど夏場に工場内はかなりの高温で、湿度も80-90%近くになることもあり、幅広い環境で動作できる点もいいと思いました。

高温・多湿の環境下で動作している OpenBlocks IoT VX2

今後について

現在は簡易ボックスで機器を工場内に置いている状態なので、異常なデータを検出した際や、かるかん割れなど不具合が発生したときに、より迅速に対応可能できるよう、工場内だけでなく、事務所でも確認できるようにネットワーク構築していきたいと考えています。

使用製品

分類製品名用途
IoTゲートウェイOpenBlocks IoT VX2各温度計測機のデータをIoT専用サーバーへ送信
IoT専用サーバーOpenBlocks IDM RX1データ記録、保存、可視化